Skip to main content

RX開発現場見聞録

「開発を加速させた技術者たちの熱い想い」

ルネサスはRXファミリに関して開発の早い段階から情報を開示し、市場にアピールしてきた。また、RX610グループでは、製品とツールなどの開発環境も同時に市場投入している。その裏にはトップから末端の現場まで、マイコンの未来を切り開いてゆくのは自分たちなのだ、という熱い想いがあった。

試作工程の最速記録を塗り替え

「ルネサスの総力を結集して開発する製品」

ルネサスはかねがねRXのことをそう表現してきた。

一般にこうした文言は製品企画上の枕詞と受け取られがちだが、RXでは開発現場に強い想い入れと結束があったことは事実である。

16ビットで世界シェアNo.1という輝かしい既存製品群を持ちながら、新しいアーキテクチャ、新しい製造プロセス、新しい開発方式を導入するRXの開発にはルネサス総力の結集が必要だったことは言うまでもない。

実際、現場には新世代を担う意気込みがあり、これまで以上に「気合い」の入った開発だった。その証は開発終盤の作業スピードにも現れている。

RX

例えば、RX610の試作工程日数は、社内のフラッシュマイコンでの最速記録を塗り替えるものとなった。評価側もすばやく対応し、試作のウエハが出来上がってきてから大方の特性評価を終えるまでも最速記録を樹立。気合いの程がうかがえるだろう。

ちなみに、RXではプラットフォームによる開発方式が採られ基本的なスピードアップが図られている。しかし、それにも増して開発に係わってきた多くの現場技術者達の気合いと、次世代を担うマイコンを自分たちの手で一日も早く世の中に出したいという熱い想いがRX開発のスピードアップを後押ししたのだ。

例に挙げた試作工程についても、RXは従来の180nmプロセスから90nmプロセスに転換したマイコンであり、プロセスが微細化することによる課題を乗り越える必要があった。ルネサスでは自動車向けのマイコンなどで90nmの実績があり、既に安定したプロセス技術を確立できていたという背景を割り引いても、現場の気合いが開発を加速させたことは間違いない。

足かけ3年の歳月

とはいえ、RXは基本構想の練り初めから数えると足かけ3年の歳月をかけている。RXはH8SやM16Cなどルネサスの中核となるミドルレンジMCUを未来へと引き継ぐ新CPUコアが載る一大ファミリである。当然のこととはいえ誕生までには幾多の論議を経なければならなかった。

プランニングは10年、20年先のルネサスを見据えることからスタートした。

最初となる製品の開発を確実に行うこと。その後のラインアップを爆発的に投入できる仕組みを作り上げておくことなども、開発の前提条件だった。

だが、開発が設計段階に入るに従い技術者達の熱い想いがぶつかり合うことになる。特にH8SやM16Cなど膨大な実績を持った既存製品に対する継承性については白熱の論議が交わされた。例えばひとつの命令を決めるにしても、既存命令の踏襲、新規命令、既存命令の破棄という3つの選択肢が考えられるが、既存品の命令はそれぞれに理由があって存在している。そこでそれらを個々に振り返る原点からの検討が必要だったのだ。

当然ながら順序的に、開発はCPUコアから始まった。順調なスタートを切ったのだが、これを受けるかたちとなる製品開発用のプラットフォーム開発に想いの外手間がかかってしまうことになる。プラットフォームは大規模なチーム開発の要となるものであるため、細かなインタフェースの呼び名ひとつに至るまで細かなルールを確定していかなければならなかったからだ。その時期、現場には焦燥感も芽生え始めていた。

企業としての信念

開発ストーリー

そんなあるとき、トップから予定前倒しの指示が出された。ここでも「気合い」が入れられたわけだ。実を言うと現場ではその時点で当初の開発日程からやや遅れがあったのだが、このことがあって以後、かえって現場のベクトルが一致したという。

ちなみに、気合いが入れられたのは、お客様にルネサスの将来像を明らかにしていきたい、という企業としての強い信念があったからに他ならない。ルネサスがRXファミリに関して開発の早い段階から情報を開示し市場にアピールしてきたのもそのためである。

とはいえ、シリコンを受け持つ側と評価をする側、開発環境を担う側などセクション間のせめぎ合い等はその後も起きた。だがこれらは大規模な開発プロジェクトが必ず乗り越えなければならない過程だ。だから現場ではその都度白熱した論議を重ねひとつひとつ解決してきた。組織的にもRXファミリ開発プロジェクト中に7つのワーキング・グループが作られ、セクション間にまたがる情報の交換や業務の調整・調停を行っている。

こうして、3年近い月日が経ち、RXは晴れて最初の製品発表の日を迎えた。RX610グループはルネサスの企業としての、そして現場の技術者たちの気合いが込められて世に出る。その評価は将来のマーケットが下すだろうが、RX開発に携わった技術者達の熱い想いは変わることがないだろう。

Alliance Partners

Renesas Starter Kits ご紹介

Tech-On! 新シリーズ「RX200」を追加

ルネサス半導体セミナー

e-ラーニング(無料)お客様のペースで学習を進められるWEBセミナーです


End of content

Back To Top