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プラットフォーム化で携帯電話の未来が変わる

2010年4月26日の広報発表のとおり、ルネサスは株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(以下ドコモ)様、富士通株式会社(以下富士通)様、日本電気株式会社(以下NEC)様、パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社(以下パナソニックモバイル)様、シャープ株式会社(以下シャープ)様と共に携帯電話に向けたアプリケーション・プラットフォームの開発に合意した。このプラットフォームを採用することで、各携帯電話メーカはアプリケーション処理における基本機能の独自開発が不要となり、開発期間の短縮や開発コスト低減が可能となる。また携帯電話開発のノウハウを融合し、さらなるマルチメディア機能強化をはかり、今後は日本国内だけでなく、全世界の携帯電話市場に提供を予定し、Android™などのオープンOSへの対応も検討中だ。

プラットフォーム化のメリット

携帯電話のアプリケーション開発には、さまざまな要求がある。(1)開発スピードの短縮や高性能ニーズへの対応などの「短TAT(Turn Around Time)」、(2)海外市場の拡大、欧州やアジア市場の3G対応といった「グローバル化」、(3)巨大な市場で寡占化を図る「コスト競争力」、(4)高機能化する携帯電話へ対応する「アプリケーションの高性能化や多様性」などだ。
これらの要求を満たすための1つの解として、通信やOS、ドライバやマルチメディア機能といった共通する機能を搭載するプラットフォーム化は重要な役割を果たしている。これを活用することで、携帯電話メーカは従来独自で行っていたアプリケーション処理における基本機能の開発や検証が不要となり、コストの低減、開発期間の短縮を図れる。同時に、携帯電話開発のノウハウを融合し、アプリケーション処理能力の高速化による動画処理機能の向上や3Dグラフィック処理機能の拡充による、さらなるマルチメディア機能強化が可能となり、携帯端末メーカは付加価値の開発にリソースを集中でき、端末自体の競争力の強化や優位化に専念できる。通信オペレータも、携帯電話ネットワーク上の新規サービスの導入においてその開発段階から参加することが可能で、各機能への反映がスムーズとなり、そのメリットは大きい。

2011年後半の携帯電話への搭載を目指す

ルネサスは、6年前よりこのプラットフォームの開発・提供をしており、このようなプラットフォーム化のメリットを証明してきた。今回の携帯電話向けアプリケーション・プラットフォームについては、ドコモ様、富士通様、NEC様、パナソニック モバイル様、シャープ様(順不同)が参加し、共同開発をすることで合意したことを2010年4月26日に発表した。2011年後半発売予定の携帯電話へ搭載することを目標としており、次世代通信システム向けの携帯電話も視野にある。また今回のプラットフォームは、ベースバンドを含む通信処理部分については含まれていないのも特長といえよう。(図1)。
OSとして当初はSymbian OSおよびLinux OSに対応する。提供範囲は、Symbian OSとLinux OSの共通ライブラリ・ドライバ、Linux OS対応ライブラリ・ドライバ、Symbian OS対応ライブラリ・ドライバとなる。将来的にはオープンOSとして、Androidにも対応していく予定であり、国内の携帯電話だけでなく、全世界の携帯電話市場への提供やスマートフォン市場への拡大も可能だ。
今後の携帯電話は新しいインタフェースやビジネスモデルも次々と生まれ、いまやワールドワイドにおいて新カルチャーの発信元と言っても過言ではないだろう。このアプリケーション・プラットフォームによって進化し続ける携帯電話の開発に貢献していく。

図1:アプリケーション・プラットフォームの構成図。

図1:アプリケーション・プラットフォームの構成図。

SH-Mobile Gシリーズ SH-Mobile G

ドコモ様とルネサスが共同開発

SH-Mobileは、2000年から開発をスタートした携帯電話向けのアプリケーション・プロセッサである。ベースバンドとアプリケーションの動作を別々のプロセッサで分け合うことで、動作の軽快さ、開発の低コスト化や短期間化を図り、高く評価された。一方で、これらをワンチップ化することでコスト低減を図りたいという声に応えて開発されたのがSH-Mobile Gシリーズである(図2)。2004年からドコモ様と共同開発し、現在に至っている。

図2:SH-Mobile Gシリーズのロードマップ。

図2:SH-Mobile Gシリーズのロードマップ。

SH-Mobile G1

第一弾として2006年に開発された。GSM/GPRSとW-CDMAに対応するデュアルバンドベースバンド機能をSH-Mobileに統合している。

SH-Mobile G2

LSIというハードウエアに加え、ソフトウエアまで含んだプラットフォームとして開発された。そのコンセプトは、今回のアプリケーション・プラットフォームに通じる。

SH-Mobile G3

最大7.2Mbpsの高速通信が可能なHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)およびW-CDMA方式とGSM/GPRS方式対応のベースバンドを搭載した。グラフィック性能も強化しており、WVGA(864×480画素)サイズの大画面液晶に対応可能なグラフィックス処理も可能とした。

SH-Mobile G4

HSUPA(High Speed Uplink Packet Access)/HSDPA/W-CDMAと2GのGSM/GPRS/EDGEに対応したワンチップ化したLSIである(図3)。同時に同LSIを搭載した「3G携帯電話端末用共通プラットフォーム」も開発された。
この「3G携帯電話端末用共通プラットフォームの共同開発」は、一般社団法人 情報処理学会の「平成21年喜安記念業績賞」を受賞した。

SH-Mobile AG5

今回発表された「アプリケーション・プラットフォーム」には、SH-Mobile AG5が対応する予定である。SH-Mobile AG5にはベースバンド部分は含まれていない。

図3:SH-Mobile G4のブロック図。ベースバンド部とアプリケーション部を1チップ化している。

図3:SH-Mobile G4のブロック図。ベースバンド部とアプリケーション部を1チップ化している。

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