| パナソニック サイクルテック株式会社 様 |
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電動自転車の豊富な商品展開でルネサスマイコンを全面採用 快適な走りや長距離走行に貢献する繊細なモータ制御を実現 |
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電動自転車は、スポーツタイプや折り畳みタイプなど車種が増え、近年は利用者が急増している。この市場でトップを走るパナソニック サイクルテック株式会社は、10年以上も前から電動自転車の開発に注力しており、すでに10車種を越える豊富なラインアップを展開している。そのすべての電動自転車には、ルネサスのR8Cと H8/Tinyが採用され、モータ制御に適した性能や周辺機能内蔵などによる車種毎の“味付け”や乗り心地の向上、走行可能距離の延長などに大きく貢献している。 |
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 コーポレートプロフィール パナソニック サイクルテック株式会社 |
| |  | 三宅 徹氏 Miyake Tooru パナソニック サイクルテック株式会社 企画部 営業企画チーム チームリーダー |
| |  | 谷田 正人氏 Tanida Masato パナソニック サイクルテック株式会社 商品開発部 新規開発チーム チームリーダー |
| |  | 枝常 真光氏 Edatsune Masamitsu パナソニック サイクルテック株式会社 商品開発部 新規開発チーム |
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| 業界トップクラスとなる約144kmの走行距離を実現 |
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坂道でも風の強い日でも、楽々走れる自転車として着実に普及してきている電動自転車(電動アシスト自転車)は、すでに国内で年間30万台弱の市場へと成長している。 個人利用ばかりでなく、行楽地でのレンタル自転車への需要が伸びているほか、環境保護と省エネルギーの面から従来バイクや自動車で巡回していたオフィス機器の保守・サービスや配送などの業務での利用も始まっており、電動自転車の特長を活かす利用分野が形成されつつある。 パナソニック サイクルテック株式会社では、1996年から電動自転車を販売しており、現在、国内シェアトップの販売実績(2007年度)をもち、さらには海外でも、欧州を中心にモータユニットを販売し、順調な伸びを見せている。「当初は、シルバー世代や主婦層をターゲットとしていましたが、最近ではスポーツタイプや若い女性向けの車種、折り畳み式など、バリエーションを増やしてきています」(三宅氏)。 | | 車種が増えたことに加えて軽量化が進み、フル充電時での走行(アシスト)距離も延びて、スポーツ車としての魅力も増してきている。たとえば、「リチウムビビ・EX」は、10Ahという大容量のリチウムイオンバッテリを搭載することで、フル充電で業界トップクラスの約144kmの走行距離(オートマチックモードの場合)を実現した。 走行可能距離が延びた背景には、アシストモードとして従来の標準モード、強モードに加え、オートマチックモードが追加されたことがある。同モードは走行条件によってマイコンが負荷を検知し、平地では弱アシストを含めた3段階のアシストパターンを自動でコントロールすることができる。つまり約144kmという走行可能距離は、軽量化、バッテリの大容量化、オートマチックモードといった3つの要素の相乗効果だといえる。 |
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| チタン採用の軽量スポーツモデル「チタンフラットロードEB」が登場 |
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なかでも同社のフラッグシップモデルとなっている最新モデルが、軽量プレミアム電動自転車の「チタンフラットロードEB」(写真1)である。文字通り業界初のチタン合金フレームを採用した最高級車種であり、軽さを追求することで15.7kgという一般の自転車並みの重量を実現したスポーツタイプとなっている。その設計コンセプトは『T・E・N』の3文字で表される。「Tは10km、EはElectric Bicycle、NはNovelty(目新しさ、新奇)を表します。時速20kmなら30分で走れる距離が約10km。これはちょうど効果的な有酸素運動ができる運動時間であり、『チタンフラットロードEB』や、『チタンライトEB』で、快適に走破する楽しみを訴えていきます。液晶画面で現在速度や区間距離、区間最高/平均速度などが測れるマルチコントロールサイクルメータ(写真2)も装備しました」(三宅氏)。 スポーツタイプを開発するに際しては、「電動なのに必要か」という声もあったという。三宅氏は「体力に自信がなかったり、昔運動をしていた頃と同じ感覚で走りたいといった人に向けて、体力の低下をアシストすることをコンセプトにしました」と語っている。 そのほか、折り畳み式の「オフタイム」(写真3)も、電動自転車としては目新しいタイプとなる。女性でも乗りやすい低いフレームサイズとなっており、クイックレバーで簡単に折りたためる。若い女性をターゲットとしたデザインが特長の「シュガードロップ」(写真4)も、電動自転車の広がりを感じさせる車種である。 | | こうしたさまざまなターゲットに向けて豊富な車種が開発できるのも、ここ数年で飛躍的に進歩したさまざまな技術のおかげだ。たとえば従来、電動自転車はバッテリが切れるとペダルが重くなってしまった。これは、ペダルの動きをギアに接触させたセンサで検出していたことや、ブラシ付モータを採用していたからだ。「当社では、他社に先駆けて非接触磁歪センサを搭載し、ブラシレスモータを採用しました。これによって、機械的な引きずりを無くすことが可能になり、バッテリ切れの際にもより自転車らしく乗れるようになりました。これは走行距離を延ばすことにもつながっています」(谷田氏)。 非接触磁歪センサは以前からあった技術であるが、構造が複雑なことやコスト面から電動自転車に採用できるものではなかった。それを松下電器産業株式会社とともに電動自転車向けとして開発することで、いち早く搭載することができた。その他にも、モータユニットやバッテリなどの重量物を車体の中心により低く配置して、安定性や取り回しやすさを改善している。 |
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 写真1:軽量プレミアム電動自転車の「チタンフラットロードEB」。 |
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 写真2:液晶マルチコントロールサイクルメータ |
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 写真3:折り畳み式電動自転車の「オフタイム」。 |
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 写真4:若い女性をターゲットとした電動自転車「シュガードロップ」。 |
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| モータ制御機能が充実しているルネサスマイコンを全面採用 |
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豊富なラインアップをもつ同社の電動自転車には、モータ制御用としてルネサスマイコンが全面的に採用されている。これまでの中心はH8/TinyシリーズのH8/3687であり、「チタンフラットロードEB」で初めてR8C/TinyシリーズのR8C/2Aが採用された。今後は順次、R8C/Tinyシリーズへ置き換えていくとのことだ。 H8ファミリは、少ない開発メンバーでノウハウを継承していきやすいマイコンだと谷田氏は評価している。またソフトウェア開発を担当している枝常氏は、「H8ファミリやR8C/Tinyシリーズは、モータを回すための機能が充実しており、開発し易いマイコンです」と語っている。 「チタンフラットロードEB」から採用されたR8C/2Aは、H8/Tinyシリーズで搭載していたタイマなどの周辺機能をすべて引き継いでいる。これに加え、従来外付けだったパワーオンリセット/電圧検出回路、データフラッシュ、高速オンチップオシレータ、DAコンバータなどを新たに内蔵したため、基板の小型化が図れる点も大きな移行メリットとなる。 | | 「チタンフラットロードEB」の基板を収める筐体はアルミのダイカスト品であり、一度金型を起こしたらしばらく使い続けなければならない。そのため、新車開発に際して機能向上を図る際でも、基板スペースは容易に大きくはできない。「従来より電流量が大きくなったりインタフェースが増えることから、コネクタのサイズが大きくなっており、基板スペースの確保が難しくなっていました。R8C/2Aでは多くの周辺回路が内蔵されたことから、同一サイズの基板(写真5)で機能向上を図ることができました」(谷田氏)。 また、ソフトウェア開発の面でも、H8/Tinyシリーズ用に開発したソフトウェア資産を活かすことができた。R8C/2AではADコンバータの数やインタフェースが増えており、多機能化にはかなり役立ったという。「ADコンバータおよびインタフェースの数が必要なだけ用意された低コストのマイコンは、R8C/2Aしかありませんでした。たとえば、海外モデルではスロットルやLEDを追加しており、そういった機能アップにも対応しやすくなりました」(谷田氏)。 |
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 写真5:チタンフラットロードEBのモータ制御基板。R8C/2Aを搭載し、従来と同じ基板面積で高機能化を実現。 |
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| 何度も繰り返すチューニングに内蔵フラッシュメモリが役立つ |
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モータを制御する上で欠かせないのがタイマ機能である。R8C/TinyシリーズはH8/Tinyシリーズのタイマ機能を引き継いでいることも、移行を容易にした大きな要因のひとつとなった。R8C/Tinyシリーズでは割込みをタイマが自由に設定できることで、特に高回転域への対応がやりやすくなった。 モータは、ブラシ付からブラシレスへと発展させてきており、さらにブラシレスモータのなかでも当初はSPMブラシレスモータを採用していたが、2005年からはIPMブラシレスモータへ切り替えている。「モータの回転は減速機で減速しており、モータの特性から高回転で高減速した方が出力を得やすくなります。R8C/Tinyシリーズで実現したタイマの自由設定により、IPMモータの高回転制御が安定してできるようになりました」(谷田氏)。 またチューニングでは、内蔵フラッシュが役に立っているという。「モータはトルク制御を行っており、踏力をセンシングしてある程度立ち上げをなめらせるなどの味付けをしています。そこでのチューニングが難しく、何度も繰り返し最適化を図っていくなかでは、内蔵フラッシュメモリが役立っています」(枝常氏)。 | | チューニングでは約1カ月間に約500kmの実走を行い、パラメータを設定したり、ソフトウェアを変更することで完成度を上げていきつつ、車種毎の味付けを変えている。前述のオートマチックモードも、こうした努力の結晶なのだ。 また、R8C/Tinyシリーズではオンチップデバッガをライン1本で接続できるようになったため、デバッグ作業の効率も向上した。「接続が簡単になったほか、近くにあるダイナモからのノイズの影響を受けにくくなりましたので、安定してデバッグを行えています」(枝常氏)。 今後の展開として、モータの高性能化やより細かな制御も必要となってくるだろう。また、キーレスレントリーのような盗難対策などへのニーズも高まってくることが予想される。そういった電動自転車の高性能化・多機能化を見据え、マイコンにはより一層の高性能化や周辺機能の取り込みを期待しているという。 電動自転車の性能と魅力の向上に、ルネサスマイコンが今後も大きく貢献していく。 |
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