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ルネサスマイコン採用事例

株式会社デンソー様


ますます高機能化・複雑化するエアバッグ
その機能実現のためにH8SXを採用

1990年前後に高級車へのオプションとして搭載されはじめたエアバッグは、現在、ほとんどの車種において標準装備となっている。しかも、車種やグレードなどによって機能やコストへのニーズが細分化してきており、運転席前方のフロントエアバッグだけでなく、サイドやカーテンなど、装着する箇所や形状が多岐にわたっている。

エアバッグ制御では、フロントやサイドなどに配置された複数の衝撃検知センサからの衝突情報で高速サンプリングを行い、どのエアバッグをどのように開くかを判断し、作動させる。この一連の動作に要する時間は数msから数10msと短い。

「エアバッグの制御で特に難しいことのひとつに、エアバッグが開く必要の無いケースを切り分ける処理があります。軽微な衝撃でエアバッグが作動することを防ぐ重要な処理であり、マイコンによって、サンプリングしたデータを独自のアルゴリズムに基づいて高速に解析することにより判断しています」(大楠氏)。

大楠 達郎
Ogusu Tatsuro
株式会社デンソー
走行安全技術3部
第2開発室
室長
8ビット時代から一貫してルネサスマイコンを採用

デンソーでは、1990年頃からエアバッグ用マイコンとしてH8ファミリを採用してきた。エアバッグ自体にも複雑な制御が要求されだしたことから、2005年からは32ビットマイコンのH8SXファミリの採用となった。

8ビット、16ビット、32ビットと一貫してルネサスマイコンを採用してきた同社では、その設計・製造品質と最先端プロセス採用によるコスト競争力を高く評価している。

「ルネサスのマイコンはコア性能が高く、われわれの要望に即したものを提供していただけるため、ずっと採用し続けています。エアバッグに最適なマイコンが提供してもらえるように、今後も情報のキャッチボールは欠かせません」(同氏)。

特に最近では、エアバッグ制御の高機能化や複雑化からH8SXファミリへのニーズが高まっている。

「H8SXファミリを採用した背景には、カバーする衝突形態の拡大に対応するためにセンサの数が増えてきたことへの対応があります。また、衝突時に一気にエアバッグ全体が膨らむのではなく段階的に膨らむ2段展開制御や、シート位置や、シートベルトの装着/未装着に基づいた展開制御といった機能を実現するために、高速なCPUが必要になります」(同氏)。

また、車体に組み込んだ後は動作確認が不可能なエアバッグだからこそ、品質管理には細心の注意が払われている。マイコンの歩留り向上やハードウェア機能バグ、コンパイラバグなどの徹底排除が強く求められてきた。

「われわれはマイコンに組み込むソフトウェアの絶対品質を確保するために、マイコンでの動きを詳細に確認します。そのためのツールとして、ルネサスが提供するフルICE(In-Circuit Emulator)を活用しています」(同氏)。

エアバッグの多様化と制御の複雑化を前に、ソフトウェア開発の重みが増しているという。

写真:H8SXファミリのH8SX/1525が搭載されたエアバッグ用ECU。サブCPUとしてH8/3694が採用されている。

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