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ルネサスの車載制御への取り組み(2)


ボディ制御向けソリューション


自動車の快適性を高めるボディ制御をフルカバー
M16Cファミリが多様な要求に応える

パワーウインドウや電動式スライドドアなどを実現するボディ制御は、 自動車の快適性を大幅に高め、“ヒトに優しいクルマづくり”を支えている。ルネサスはM16Cファミリの幅広いラインアップによって、ECUやネットワークゲートウェイからモータ制御に至るまでの幅広いボディ制御アプリケーションをカバーし、さまざまな要求に応えている。

M16Cの幅広いラインアップと豊富な機能でニーズに応える

自動車でボディ系制御といえば、ドアおよびウインドウ、サンルーフ、ワイパー、シート、エアコン、各種ライト制御など、さまざまなアプリケーションが存在する。これらのアプリケーションは、電動化されたことで自動車の快適性を飛躍的に高め、差別化にも貢献している。

電動化の多くは、マイコンによるモータ制御で実現している。ボディ系は制御対象となるアプリケーションが多く、要求仕様も多岐にわたるため、ルネサスは幅広い製品ラインアップを有するM16Cファミリを提供している。

ボディ系の特長は、人が直接見たり、触れたりしてドアなどの動きを確認できるところにある。そのため極めて繊細な制御が必要とされ、人が挟まらないためのセーフティ機構の搭載やドアや窓の開閉速度の変更など、仕様変更が日々発生している。逆に、付加価値や高級感を出すための装備として戦略的に利用することもできるため、ボディ系部品へのニーズは多岐にわたり、それをサポートするマイコンにも幅広い対応力と効率的な開発環境が不可欠となっている。

その意味でM16Cファミリの幅広いラインアップとモータ制御での実績は心強い。単一のマイコンアーキテクチャでECUと、その手足となるモータを制御するマイコンの両面をカバーすることができる。R32CシリーズでECUを構成し、サブECUやモータ制御用マイコンにはR8C/Tinyシリーズ、M16C/Tinyシリーズなどを利用するといった組み合わせを採用することで、ボディ制御のマイコンがM16Cファミリのアーキテクチャで統一される。このことは、過去のソフトウェア資産を再利用しやすいため設計期間を短縮することにつながり、ソフトウェア設計者にとって大きなメリットとなる。

またM16Cファミリは、モータ制御向けマイコンとして多機能タイマなどを内蔵し、家電製品分野を中心に幅広く利用されてきた。その実績に裏付けられた技術力と信頼性をボディ系の各種モータ制御にそのまま活かすことができるのはルネサスの強みだ。低消費電力、低ノイズという特長も、電源や基盤の設置スペースに限界のある自動車用途に向いている。

R8C/Tinyの機能を活用しシステムコストを下げる

自動車のボディ制御用として、ルネサスはM16Cファミリから3シリーズの製品系列を推奨している。ローエンドマイコンとしてR8C/Tinyシリーズ、ミッドレンジマイコンとしてM16C/Tinyシリーズがある。ともにパワーウインドウ、パワースライドドア、ヘッドライト、パワーシート、スイッチ制御など、さまざまなボディアプリケーションをターゲットとしており、高機能、高性能を求められる場合はM16C/Tinyシリーズを推奨している。

またハイエンドマイコンとして数多くのアプリケーションを集中的に制御するECUやネットワークゲートウェイをターゲットとしたM32C/100シリーズを展開する(図1、図2)。

ローエンドのR8C/Tinyシリーズでは、R8C/20~23(48pin)、R8C/26、27(32pin)、R8C/28、29(20pin)、ミッドレンジのM16C/TinyシリーズではM16C/26T(48pin)、M16C/28、29(64pin、80pin)などを中心に品種展開している。

ともにスケーラビリティと低コストを特長としており、R8C/Tinyシリーズは内蔵フラッシュメモリを小容量(16Kバイト)から大容量(128Kバイト)まで、きめ細かく用意した。

低コスト化では、発振器(オシレータ)、パワーオンリセット、低電圧検出回路といった機能を内蔵することで、外付け部品を減らすことができる。個々のモータ制御やECUのサブマイコンとして数多く使用されるため、システムコストを下げるマイコンが強く求められていることに応えている。

今後は、R8C/Tinyシリーズの低いコストを活かしながら入出力数を増やしたR8C/Nextのほか、高性能なCPUコアを内蔵したM16C/Nextへと展開していく予定である。R8C/Tinyシリーズの動作周波数は20MHz、M16C/Nextでは32MHzとなる見込みだ。

図1:ボディ制御用マイコンの製品ロードマップ。ハイエンドのR32C/1xxシリーズは集中制御用マイコン、ローエンドのM16C/Tiny、R8C/Tinyシリーズはモータやスイッチなどの駆動用マイコンとなる。

図2:ボディ制御の具体例。制御対象には、パワーウインドウ、電動式スライドドア、パワーシート、オートクローズトランク、電動サンルーフ、電動ドアロック、キーレスエントリ、ワイパー、ヘッドランプ、テイルランプ、ルームランプなどがある。
R32Cで数多くのマイコンを車載LAN経由で集中制御

他方、ECUなどでの集中制御に利用されるハイエンドマイコンでは、フラッシュマイコンのR32C/100シリーズを開発中である。

R32C/100シリーズは、車載LANを通じてほかのマイコンやロジックなどを制御することを前提としており、複数の車載LANインタフェースを搭載する。たとえばR32C/100は、2/3/4チャネルのCANインタフェース、2~8チャネルのLINインタフェースを内蔵する予定である。同じアーキテクチャで多ピン化展開を図ることで、ネットワークI/Oの増加にもスムーズに対応していくことを狙っている。

さらに、CANよりも高速な車載LANである、FlexRayに対応した品種も開発していく。

動作周波数は品種によって異なるが、48MHz/60MHz/64MHz/80MHz品の開発を予定しており、ローエンド品に比べて一段高い性能を得ることができる。今後は、内蔵フラッシュメモリの容量が拡大される予定で、たとえばR32C/100の場合、256K~1Mバイトを検討している。


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