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臨界モードPFC制御IC  R2A20112

デジタル家電などの小型電源ユニット向けに業界で初となるインターリーブ動作を実現

AC入力電流の波形を、AC入力電圧と同様な位相や波形に整形するように制御することで、無駄な電力を低減するPFC回路(PFC:Power Factor Correction)を採用した電源の採用が進むなか、ルネサスはデジタル家電など小型化が要求される電源ユニット向けに業界で初めて、インターリーブ動作を実現した「R2A20112」を製品化した。本製品を使用することで外付部品点数の削減などが図れ、小型で低ノイズ、高効率、薄型の電源ユニットを実現することが可能になり、かつ設計の容易化も図れる。
写真:面実装パッケージ「SOP-16」(左)と挿入タイプの「DILP-16」
デジタル家電などへのPFC電源の採用を後押し
機器の電源回路の初段部は、AC(交流)電圧からDC(直流)電圧に変換するAC/DCコンバータ回路で構成されている。一般的に、単なるチョークインプット方式整流等の電圧変換では、AC入力電圧が正弦波形であるのに対し、AC入力電流の波形は、回路部品の影響により、電圧波形と位相がずれたり、波形自体が正弦波にならず、この原理により、無駄な電力(電圧と電流の積)を発生させることになる。 また、力率が悪い機器は無効な電力を消費するばかりではなく、電流波形のズレがAC電源を揺らがせ、他の機器の誤動作や故障につながる可能性もある。PFC回路は、このようなずれたAC入力電流の波形を、AC入力電圧と同様な位相や波形に整形するように制御することで、無駄な電力を低減するための回路である。 標準化団体のIEC(International Electro-technical Commission:国際電気標準会議)やJIS等で定めた規制が法令化され、各種機器はPFC制御の電源回路を搭載することが必須となる状況にある。しかしPFC制御を行うためには、コイルやコンデンサ等の外付け部品や、ノイズや発熱への対策等が必要となることから、小型化や薄型化が強く求められるフラットパネルTV等のデジタル家電機器への採用が難しいという問題があった。 ルネサスでは、従来からインテリジェントタイプの電流連続モードPFC制御ICとして「HA16174」および「R2A20111」を製品化してきた。しかし、市場のさらなる高効率かつ電源回路の小型化等へのニーズに対応するため、今回、デジタル家電などの電源ユニット等における力率改善(PFC)回路向けに、臨界モードPFC制御ICでは業界で初めて複数のスイッチング素子(FET)を交互に動作させるインターリーブ動作を実現したPFC制御IC「R2A20112」を製品化した。 「R2A20112」の主な特長は以下の3点。
(1)臨界モードPFC制御ICで初めてインターリーブ動作を実現
PFC制御ICは、AC入力間にある外付けのスイッチング用MOSFETを駆動して制御する。従来は、1つの信号で、複数の並列接続された外付けMOSFETを駆動するシングルモードだが、配線の長さやインピーダンスの差により個々のMOSFETの動作タイミングにばらつきが生じる。本製品では、2つの信号(マスターとスレーブ)として制御することで、動作タイミングのばらつきを低減するインターリーブ動作を、臨界モードPFC制御ICでは業界で初めて実現した。 これは、独自に開発した臨界モード(昇圧コイル電流がゼロであることを検出してから、外付けのMOSFETをスイッチングするモード)におけるスレーブ制御回路によるもので、電流の分散を高精度に行うことができる。これにより、入力フィルターや昇圧コイル、入出力コンデンサなどの部品の小型化が図れる。
(2)各種ノイズ低減によりシステムの簡素化を実現
本製品は電流ゼロを検出してからスイッチングするZCS(Zero Current Switching)機能を搭載しており、スイッチング用MOS FETの発熱を低減できる。ZCSやインターリーブ動作により、昇圧ダイオードのリカバリー電流など余分な電流の流れの防止や適切な電流の流れを制御することを可能とし、電源ラインのノイズやリップル電流の低減を実現した。これにより、電源ユニットにおけるAC入力フィルターの簡素化や輻射ノイズのピークレベルを低減でき、シールドなどのノイズ対策の簡素化が図れる。
(3)電力変換効率を当社従来品に対して5%向上
当社従来品の「HA16174」に対し、スイッチング損失やリカバリー損失、導通損失の低減を図って高効率化を実現しており、電力変換効率を5%以上向上している。これにより発熱量を低減でき、スイッチング用MOSFETのファンレス化やヒートシンクの簡素化に貢献する。 パッケージは従来製品と同様に、面実装パッケージ「SOP-16」と挿入タイプの「DILP-16」を揃えている。 今後は、出力電力やアプリケーション別用のPFC制御ICを開発し、大電力機器向けのkwクラス、小電力機器向けの50Wクラス等の製品ラインアップを拡充していく。

表:R2A20112の仕様


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