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業界初、地上デジタル放送(フルセグ)対応の 携帯電話用アプリケーションプロセッサ「SH-Mobile MT1」を製品化


- 携帯電話、その他携帯機器等向けに高画質かつ低消費電力で実現 -


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2010年3月15日
株式会社ルネサス テクノロジ
株式会社ルネサス テクノロジ(本社: 東京都千代田区、取締役会長: 塚本 克博)は、このたび、携帯電話向けアプリケーションプロセッサでは業界で初めて日本の地上デジタル放送(フルセグ)(注1)の視聴や録画/再生に対応した「SH-Mobile MT1(製品名:SH73704)(注2)」を製品化し、2010年4月からサンプル出荷を開始します。
本製品は、フルセグ対応に必要なフルハイビジョン(1920×1080画素、以下フルHD)サイズ対応の動画像処理やIP変換(注3)、ノイズリダクション機能、音声処理(5.1チャネル/2チャネル)等を低消費電力で実現しています。加えて、映像出力はデジタルだけでなくアナログ出力に、音声出力はデジタル音声信号のI2Sやデジタル音声転送規格S/PDIFに対応すると共に、携帯電話の他、携帯用民生機器、車載機器等、応用分野での使用を考慮したパッケージやソフトウェアソリューションをラインアップしています。
「SH-Mobile MT1」の主な特長は、以下のとおりです。
(1) 業界初、フルセグの視聴、録画を携帯電話向けアプリケーションプロセッサで実現
次のような工夫により、携帯電話向けアプリケーションプロセッサでは業界で初めてフルセグの視聴、録画/再生を実現しています。しかも、ビデオやオーディオのデコード(復号化[再生])等をハードウェアで処理するため、CPUによるミドルウェア処理よりも低消費電力で実現可能です。
フルHDサイズのMPEG-2映像をデコード可能な動画処理ハードウェアの搭載
動きベクトルを利用したIP変換とノイズリダクション機能ハードウェアによる高画質化
音声専用ハードウェアによるダウンミックス(注4)処理対応AAC(Advanced Audio Coding)(注5)5.1チャネル/2チャネル音声デコード処理
フルセグ放送対応チューナインタフェース、B-CASカードを接続可能なSIMカードインタフェースなどのフルセグ放送の視聴に必要な周辺インタフェースの搭載
加えて下記機能の搭載により、視聴している番組をリアルタイムにSDカードへ録画保存できます。
D1サイズのH.264映像エンコード可能な動画処理ハードウェアの搭載
著作権保護に対応したSDカードインタフェースの搭載
(2) 応用分野に対応したパッケージラインアップ
本製品では、携帯電話に加え、携帯用民生機器や車載機器でのフルセグ対応用途も想定し、次の2種類のパッケージをラインアップしており、システムに適した製品を選択可能です。
本チップと1GビットのMobileDDR-SDRAMを1パッケージ化した小型SiP(System in Package)パッケージ<10×11mmサイズの407ピンBGA> 本チップの低消費電力に加え小型化が図れるため、バッテリー駆動の携帯電話や携帯機器で威力を発揮します。
本製品のみの単品パッケージ<21×21mmサイズの449ピンBGA> 車載機器など、メモリを外付けして使用するシステムに対応します。
(3) 地上デジタル放送の受信・視聴に必要な機能をソフトウェアパッケージとして提供
地上デジタル放送(ISDB-T)の視聴に必要となるMPEG-2 TS(Transport Stream)の多重分離処理、映像/音声/字幕のデコード、社団法人電波産業会(ARIB)のARIB標準規格で規定された仮想プレーンモデルに基づいた提示制御などのマルチメディア機能の他、「SH-Mobile MT1」が搭載する機能のリアルタイム制御ドライバまで、ソフトウェアパッケージとして提供します。
ソフトウェアには、受信した放送ストリームの各種メディア処理と各種処理の連鎖するチェーン処理が含まれており、AV同期やリアルタイム性を保証するフレームワークの実現や、BMLブラウザソフトウェア、および既存のDTVアプリケーションを容易に構築できます。 なおソフトウェアパッケージのAPI仕様は、経済産業省が推進する次世代情報家電向け標準API仕様に準拠しています。

<製品化の背景>

近年の携帯電話では、ワンセグ放送(注6)の視聴/録画機能が標準的に搭載され、移動しながら放送をリアルタイムに視聴したり、録画した番組を再生したりすることが一般的になっています。また、カーナビゲーション機器(以下、カーナビ)やポータブルメディアプレーヤなどのマルチメディア端末においても携帯電話同様のニーズがあり、対応機器も商品化されています。
そして、これらの機器の次世代機としてフルセグ対応の要望があります。また、2011年のアナログ放送終了が、アナログ放送受信対応機器からの置き換えやデジタル放送対応機器の次世代機の加速要因となり、様々な製品分野でのフルセグ放送対応品のニーズが見込めます。
当社は、携帯電話で動画や音声等のアプリケーション処理を専用に行うLSIを「SH-Mobileシリーズ」として世界に先駆けて製品化し、携帯電話におけるマルチメディア・アプリケーションの進化に貢献してきました。既に、ワンセグ対応はもちろん、フルHDサイズのビデオ録画/再生に対応した製品を量産中ですが、今回、上記のようなフルセグ放送の視聴、録画/再生の市場要求に対応するため、「SH-Mobile MT1」を製品化しました。

<製品の補足>

本製品の動画像処理部は、高性能・低消費電力な動画像処理IPであるVPU(Video Processing Unit)を搭載しております。VPUはフルHDサイズで30fps(frame per second)、40Mbpsの動画像のエンコード(符号化[録画])/デコード(復号化[再生])が低消費電力で処理可能です。またVPUで動画像の処理をしている時は、CPUは他の処理を行え、動作周波数を低く抑えることができるため、本製品の低消費電力化が図れます。加えて、地上デジタル放送に特有なIP変換機能や動画像に最適なノイズリダクション機能、高画質フィルタ、スケーリング処理をハードウェア化することでさらなる低消費電力を実現しています。
その他、「SH-Mobile MT1」では、1500万画素のカメラモジュールを直結接続可能なカメラインタフェースを搭載しています。これにより、高精細カメラの大容量画像データを高速に取り込んで、画像の電子ズーム表示、OSD(オンスクリーンディスプレイ)機能やHWC(ハードウェアカーソル)機能などによる画面の重ね表示等の多彩な表示が可能です。さらにワンセグ放送対応として、BT.709形式のYUVデータに対応しています。これにより、画質を劣化させることなく、TV放送のデータを切り出してJPEG画像に変換することが可能です。その他、24ビット対応のTFTカラー液晶パネル対応LCDコントローラ、サウンドインタフェース等の携帯電話システムに適した豊富な周辺機能を搭載しています。
今後も携帯電話におけるさらなるマルチメディア・アプリケーションの進化や高度化にあわせた「SH-Mobileシリーズ」の製品を開発し、市場ニーズに即した最適な製品をタイムリーに市場に投入していきます。

■ 注記

(注1)
地上デジタル放送:地上波を使用したフルセグ*放送。アナログ放送に比較し、高音質な音声放送を実現できる他、文字や静止画等のデータ配信が可能。
*日本で開発された地上デジタルテレビ放送規格であるISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)の全13セグメントに対応。
(注2)
SH-Mobile (SuperHTM Mobile Application Processor): 携帯電話システム向けに、ベースバンドLSIと接続して、オーディオや動画などのマルチメディア・アプリケーションを専用に処理する当社独自のプロセッサ。
SuperHは、(株)ルネサス テクノロジの商標です。
(注3)
IP変換:インターレース方式の映像をプログレッシブ方式に変換する機能。
(注4)
ダウンミックス:5.1チャネルのオーディオデータから2チャネルのオーディオデータを作成する機能。
(注5)
AAC(Advanced Audio Coding):高音質オーディオの圧縮規格の一つ。
(注6)
ワンセグ放送:日本の地上デジタルテレビ放送規格ISDB-Tの全13セグメントのうち1セグメントを使用しているため、ワンセグ放送と呼ばれている。
* その他記載の製品名、会社名、ブランドは、それぞれの所有者に帰属します。

■ 応用機器例

  • マルチメディア・アプリケーションを搭載する携帯電話端末
  • 地上デジタル放送(フルセグ)受信機能を搭載するモバイル用途の民生機器

■ 価格

製品名 動作周波数 パッケージ 1万個ロット時の価格(円/個)<税込>
SH-Mobile MT1
(SH73704)
500MHz SiP:407ピンBGA 3,500
単品:449ピン BGA 2,800

■ お客様からの問い合わせ先

株式会社ルネサス テクノロジ システムソリューション統括本部
システムソリューション第二事業部 モバイル製品技術部
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 (日本ビル)
電話 03(5201)5234 (ダイヤルイン)
[ Webでの問合せ ]
以 上

<補足資料>

■ 仕様

項目 「SH-Mobile MT1」仕様
製品名 SH73704
CPUコア SH-4A
電源電圧 内部:1.15~1.3V
外部:2.5~3.6Vまたは1.65~1.95V
最大動作周波数 500MHz
内蔵RAM ・ILRAM:4Kバイト
・RSRAM:2Kバイト
キャッシュメモリ 32Kバイト命令/32Kバイトデータ分離
4ウェイセットアソシアティブ方式
X/Yメモリ(DSP用) 16Kバイト
内蔵周辺機能 ・1500万画素カメラ対応機能
・VPU (H.264、MPEG-4、MPEG-2)
・DMAC×6チャネル
・MMU
・SPU(24ビット Audio専用DSP×2)
・24ビット TFT液晶パネル対応LCDコントローラ
・ガンマ補正機能
・拡大エッジ強調機能
インタフェース ・専用インタフェース (ベースバンドLSI接続等)
・TS(Transport Stream)インタフェース
*フルセグ放送対応チューナインタフェース
・HDMI Transmitter LSIインタフェース
・ビデオI/O(カメラモジュール直結インタフェース)
・I2Cバスインタフェース
・クロック同期シリアルインタフェース×1チャネル
・FIFO付シリアルインタフェース×1チャネル
・調歩同期式シリアルインタフェース×1チャネル
・サウンドインタフェースユニット×2チャネル
・SDメモリカードインタフェース×2チャネル
・SIMカードインタフェース×1チャネル
・MIPI-CSI2、MIPI-DSI
搭載SDRAM(SiP品のみ) 1Gビット MobileDDR-SDRAM
パッケージ SiP: 407ピンBGA (10×11mm、0.4mmピンピッチ、厚さ 1.4mm)
単品: 449ピン BGA (21×21mm、0.8mmピンピッチ、厚さ 1.9mm)