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ルネサスが、新CPU「RXファミリ」において、高速・高性能版の32ビットマイコン「RX600シリーズ」を展開


− 様々な分野におけるハイエンド機器の将来ニーズに応える「RX600シリーズ」 −

2008年5月20日
株式会社ルネサス テクノロジ
株式会社ルネサス テクノロジ(本社: 東京都千代田区、会長&CEO: 伊藤 達)は、このたび、新CPU「RXファミリ」において、ハイエンド機器向けに高速・高性能を追求した32ビットマイコン製品群「RX600シリーズ」、および低消費電力を追求した16ビットマイコン製品群「RX200シリーズ」の2シリーズを開発、展開することを決定しました。第一弾製品として「RX600シリーズ」を2009年第2四半期にサンプル出荷する予定です。
「RXファミリ」は、当社既存の16ビットおよび32ビットのCISC (Complex Instruction Set Computer)(注1)マイコンを統合した、当社の今後のマイコン事業の中核を担う次世代マイコンです。顧客ニーズに最適な製品群をラインアップしていくことで、当社マイコン事業のさらなる強化を図ります。

<背景>

当社は、16ビットおよび32ビットCISCマイコンの「M16Cファミリ」「H8Sファミリ」「R32Cファミリ」「H8SXファミリ」を量産し、民生、自動車、産業、OA、通信等の幅広い分野で採用され、マイコン事業では世界トップシェアを(注2)獲得しており、加えて、16ビットマイコンでも世界トップシェア(注3)を獲得しています。
一方、組込み機器は、従来以上にシステムの高機能化、複雑化、大規模化及び省エネルギー化が進み、システムの中核をなすマイコンに対しては、高速・高性能、大容量メモリ、低消費電力など様々な要求に対応することが求められています。このため、現在のマイコン市場では、8ビット、16ビットマイコンの規模が大きいものの、今後は、32ビットマイコンが市場を牽引して、16ビット及び32ビットマイコンの比率が高まってくることが見込まれています。
当社は、このような市場の将来ニーズを踏まえマイコン事業のさらなる強化を図るため、上記のCISCマイコンを統合する次世代CPU「RXファミリ」について、2007年5月に開発着手、同年11月にCPUコアのアーキテクチャ設計完了を発表しました。
そして今回、「RXファミリ」の中で高速・高性能を追求した「RX600シリーズ」の第一弾製品を展開します。

<特長>

「RX600シリーズ」は、大規模プログラムで高速、高処理性能を要求するOA機器やデジタル民生機器、白物家電機器、自動車分野等のハイエンド機器に向けた製品シリーズであり、特長は以下のとおりです。
(1) 高速、高性能、コード効率(注4)を追求した「RX」CPU コアを搭載
「RX」は200MHz動作可能なCPUコアであり、5段パイプライン、およびプログラム読み出しとデータ書き込みを並列に実行できるハーバードアーキテクチャを採用しています。これにより1.25MIPS/MHz(Dhrystone 2.1)以上の高処理性能を実現します。さらに、命令セットを最適化し、コード効率を当社既存品と比較して、30%以上の効率向上を図っています。
(2) 100MHzの高速動作が可能なフラッシュメモリを搭載
本シリーズは、当社独自のMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)型フラッシュメモリを搭載します。本フラッシュメモリは、業界最高速となる100MHzでの1サイクル読み出しが可能であり、プログラムの高速読み出しと大容量化を実現しているため、様々なシステムの高速化及び高機能化によるプログラムサイズの増大に対応可能です。また、「RX600シリーズ」の全製品に、データ格納用のフラッシュメモリを搭載します。本フラッシュメモリは、用途に応じて、最大10万回の書換えを保証する上、プログラム実行中に本フラッシュメモリへの並列書換え可能なBGO(Back Ground Operation)機能を備えているため、データのバックアップ用途などに最適です。
(3) 市場実績のある周辺機能を搭載し、既存製品との互換性を確保
本シリーズは、当社既存製品で実績のある周辺機能(タイマ、シリアルインタフェース、A/D変換器、D/A変換器他)を内蔵します。これにより、既存製品と同様の使い勝手で扱えることで、既存のソフトウェア資産が流用可能であり、開発工数削減に寄与します。
(4) 「MCU開発プラットフォーム」による短期間での製品開発が可能
当社は、これまでSoC(System on Chip)開発を、統合マザー・プラットフォーム「EXREAL PlatformTM(エクスリアル・プラットフォーム)(注5)」で行い、多くの実績を築いています。今回、EXREAL Platformのコンセプトをマイコンに適用した「MCU開発プラットフォーム」を構築しました。「MCU開発プラットフォーム」により、「RXファミリ」製品群の短期開発、製品展開の容易化を実現します。
(5) 様々なアプリケーションに対応する拡張機能
本シリーズは、オプションとして、各種機能を搭載することができます。
メモリプロテクションユニットは、特定ソフトウェアがアクセスしてはならない記憶領域にアクセスしていないかを判定する機能です。本機能により、システムの安全性を高めることができます。
また、各種フィルタ演算等の演算処理を高速に実行するための単精度浮動小数点ユニット、DSP機能も拡張可能であり、画像データやオーディオデータの高速処理に有効です。
開発環境としては、これまで当社マイコンの標準開発環境であるHigh-Performance Embedded Workshopを「RXファミリ」向けに用意します。これにより、従来のマイコン製品のソフトウェア資産を「RXファミリ」用に容易に、かつ短期間で流用できます。
「RX600シリーズ」の第一弾製品は、2009年第2四半期にサンプル出荷する予定で、既存製品で市場実績のある周辺機能と互換性を持つタイマやA/D変換器、シリアルインタフェース等の周辺モジュールを内蔵し、高速、大容量メモリを搭載します。また、USBモジュール(ホスト/ファンクション)、CANインタフェース、イーサネットモジュール及びモータ制御用タイマ等、要望の強い周辺機能を搭載したASSP(Application Specific Standard Product)製品も順次展開していきます。

■ 注記

(注 1)
CISC: Complex Instruction Set Computerの略で、複雑な命令セットをもつコンピュータ。これに対し、RISC (Reduced Instruction Set Computer)は、命令セットを簡略化することで、ハードウェアを簡素化し、高速化を図ることを目的にしたコンピュータ。
CISCは命令数が多いため、プログラミングが比較的容易な特徴がある。
(注 2)
出典: Gartner "Semiconductor Applications Worldwide Annual Market Share: Database" Hiroyuki Shimizu, 27 March 2008, GJ08218
(注 3)
出典: Gartner "Semiconductor Applications Worldwide Annual Market Share: Database" Hiroyuki Shimizu, 27 March 2008, GJ08219
(注 4)
コード効率: プログラムのコンパクトさを示す指標。オブジェクト・コード効率が高いほど、プログラムの格納に必要なメモリ容量が少ない。
(注 5)
EXREAL: Excellent-Reliability(信頼性), Efficiency(効率), Agility(敏捷性), Linkの略。SoC(System on Chip)のチップ開発からユーザにおけるシステム開発までのソリューションを提供する当社の統合マザー・プラットフォーム。
 *  記載の製品名、会社名、ブランドは、それぞれの所有者に帰属します。

■ 仕様概要

項目 「RX600シリーズ」 基本構成
CPUコア RX CPU
最大動作周波数 200MHz
電源電圧 3.0V / 3.3V / 5.0V
汎用レジスタ 32ビット × 16本
浮動小数点演算器 単精度浮動小数点演算器
(加算 / 減算 / 比較 / 乗算 / 除算他の命令をサポート)
メモリプロテクションユニット 有り (オプション)
DSP演算器 有り (オプション)
乗算器 32ビット乗算器
除算器 有り
フラッシュROM (プログラム格納用) 256KB ~ 4MB
フラッシュROM (データ格納用) 有り
RAM 64KB ~ 256KB
内蔵周辺機能 タイマ
シリアルインタフェース
A/D 変換器
D/A 変換器
オンチップデバッグ機能 有り
性能 (目標) 1.25MIPS/MHz

■ お客様からの問い合わせ先

株式会社ルネサス テクノロジ マイコン統括本部 マイコン製品技術統括部
マイコン製品技術第一部
〒100-0004 東京都千代田区大手町二丁目6番2号 (日本ビル)
電話 03(5201)5249 (ダイヤルイン)
Webでの問合せ ]
以 上

【関連情報】

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